新年にふと禅の本を買い、禅といえば臨済宗の元管長(親分)から医師になられた対本先生の本を読みたくなり、読みたい本リストから引っ張りだして一気に読みました。

40代に入ってからも師と仰ぎたくなる方から講義を聞けるのは本当にありがたいです。

お正月の緩んだ気分に喝を入れていただきました。

読んだ本「坐禅」は医療というよりはお坊さん、哲学者としての対本先生からの教えでした。

対本先生は京大の哲学科卒。京大哲学科のHPを少し覗いてみましたところ、最後の辺りに「クラシックかつアバンギャルド」と書いてありカッコよすぎる…!と心が震えます。

対本先生は聖書の造詣も深いので西洋東洋満遍なく学ばれたのだろうなと思います。

名ばかりの東洋哲学科卒でお釈迦さまのこともイエス様のことも「よーわからん」まま卒業してふらふら不惑になった私とは雲泥の差です。最近になって面白さが再燃しているので、20歳頃の私には哲学は早すぎたんだろうと思います。

去年初めて対本先生の講座を聞いた瞬間から、こりゃ只者じゃない…!ということだけはわかり、先生の著書を集めながら紹介してくださる本を買い、ストーカーとは言わないで、目指してるもののずっと先にいらっしゃるのよ、先達はあらまほしきことなりって徒然草で兼好さんも言ってるよ、という感じで毎月講座を聞きに行ってます。毎回素晴らしいです。何がって、その視点が。

坐禅は主に息の調え方に重点を置いてらっしゃいました。無意識でありながら、意識してコントロールできるのが呼吸だそう。

スポーツ選手の試合前に関する集中と深呼吸についての記述もあり、私はここ本当に大事!と深く共感して、練習にも坐禅と瞑想を取り入れてます。おかげ様で3分瞑想はリクエストされたり、長距離走り終わった後の休憩兼調息を兼ねて取り入れさせてもらってます。

スピリチュアルの分野の方々も「いま、ここ」はよく強調されてますが、スピリチュアルがスピリチュアルと言われてしまうのは、いきなり宇宙の法則によると…と、「宇宙キター!」って仮面ライダーフォーゼみたいに突拍子もないところだと思ってまして、天使からのメッセージとかミカエル様みたいな単語が突如…という論拠の希薄な点が脆さといえば脆さだとは思います。まあ、私は大好きなんですが…。これやっちゃうと、正直誰でもコツ掴んだらおそらく本書けてしまうんですよ。読者の知りたいのは、そこに至る過程だったり、なぜありのままでいいかを知りたいわけで、いきなり「あなたはあなたのままでいい」と言われても、おそらく戸惑うわけです。せんべいかじってゴロゴロワイドショー見てる時には多分響かない言葉なんですよ、これ。子どもを見てると、ありのままでいいなとは感じますが…。

で、哲学という分野の好きなところは「ひたすら考え抜いて到達したサムシング、もしくはその道のりで閃いた直観という名の真理」から、様々な考察を展開できるところです。真理の理の部分をスピリチュアルも哲学も言葉は違えど伝えてくれているので、どう伝えるかの違いですね。せっかく哲学科を選んだ手前、私はできる限り哲学を簡潔に伝えてゆきたいなぁと思っています。

哲学というと途端にムズカシク感じるので、「知恵を愛する→愛知にすればいいのに…」という呟きが共感できて良いなあと思いました。(p112)

「いま、ここ、自分」、この最後の自分という言葉がなかなか厄介で、そうかなるほどと思い至るまでに私は随分時間がかかりましたが、もっと早く先生に出会えたらなという思いと、色々回り道したからこそ、先生の素晴らしさと偉大さが少しだけわかるのかもしれないという思いと、まだまだ道途中なので「かもしれない」に留めますが、引き続き「対本先生から学ぶ」は私の中の一大テーマです。

学生時代に学んだことと繋がりながら医学の分野に導いてくださるので、その全体を眺める努力をしながら学びを深めてゆきたいものです。こころもからだもほぐほぐうさぎ🐇ですから、からだだけではダメなんですよねぇ…。

キリスト教は一神教だから他の思想を言及するのはタブーかもしれないなぁ…とは頭の片隅で思いながらも、私は宗教者として生きているわけでもないし、個人の学びとして知の開けた方々をリスペクトし続けたいという欲はおそらく死ぬまで変わらないので、せっかく学んだ分野を掘り返したり新たに知ることばかりですが、子供たちが寝静まった時間にゆっくり本が読めるのは至福でございます。東洋と西洋の思想を眺めながら賢人の言葉を追いかけることをライフワークにしてゆきたいものです。

聖書1本でキリスト教の良さを伝える人ももちろんいますし、偉い人を色々みてそれでもこの人すげえよって伝える人もいて、そこは人それぞれですよね。ベンツ大好きでベンツ売る人と、他社も比較しながら自社の良さを伝える人と、セールスにも色々あるように。

話しが逸れました。

外にばかり向いて家を疎かにするのは本末転倒との記述を戒めに、引き続き己の身を調えてお客様に接してゆきたいものです。

呼吸法、セルフコントロール、禅、集中、哲学などの言葉にピピッとくる方はぜひ対本先生の「坐禅」、お手にとってみてくださいね。良い本なので、上の部分折りまくりです。

対本先生の今月の公開講座は1/23(水)14-15時、大館記念病院4階にて。(..のはず。第四水曜日に開催されてます)

ではではまた🍀