突然ですが、東京にいて子供を産む前はエンタメ大好きでした。

歌舞伎座から徒歩1分の会社だったので仕事帰りに幕見を楽しんだり、宝塚を観に定時であがって日比谷にダッシュしたり、劇団四季、劇団新感線、蜷川幸雄さん、帝劇、友人の演劇などなど、東京を存分に楽しんでました。ボーナスも6ヶ月分出る会社だったので、使ってもそれほど減らず、夢のようでした。しかも歌舞伎座も幕見は当時1000円くらい、宝塚も安い席は3500円だったかな…。とにかく数を見るのが好きでした。

宝塚は友の会に入ろうか迷いましたが、会社の先輩がよく譲ってくれたので好意に甘えてました。

前置きが長くなりました。

観る側としてさんざん観てハマった宝塚ですが、世の中の縁は不思議なもので、元総支配人の方とご縁が繋がりました。腰が抜けるかと思いました。

森下信雄著 元.宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略

ちょうど私がハマる少し前に色々手掛けてらっしゃって、本もものすごく頷いたり「ほ~!」と思ったりで一気に読みました。私のヅカファンスイッチ押すと原稿用紙10枚超えてしまうので割愛。息子の胎教と言いながら宝塚のCDを聴くあたり、相当だったかもしれないと思います。ヒエラルキー的にはマイルドなおたく…くらいでしょうか。ピラミッドの真ん中あたり。一人でB席で双眼鏡持ってチェックするファン。時々S席でテンションあげる…みたいな。

まずはじめに書きますが、宝塚は観ないでとやかく言ったらダメなものの1つです。行けばびっくりするはず…。

だって「東大より難しい」と言われる学校の方々の舞台ですよ?頭の良さだけでは測れないスペシャルな才能を持った方々の集団です。エンタメとしてもビジネスとしてもとにかく一度は観なきゃソン。私は毎月観に行くくらいにハマってました。いわばオーラを浴びに行くんです。指先や目線にまで気配が行き届いてる。

現場を見ながら全体を掴む方の視点は素晴らしいですが、森下さんの何がすごいって、それぞれの生徒さんの資質や才能を見極める目ではないかと思います。

この人をどこで活かすか、をとことん見抜いてらっしゃる。それはスター性だったり、歌唱力だったりですが、歌のお姉さんだったはいだしょうこさんを抜擢したエピソードを読んでもそう感じます。

ビジネスとして、野球と比較されていたのもコスト面の視点が興味深かったですし、AKBとの比較も「なるほどさすが…」と秋元康さんのビジネスをきちんと観察している感じがしました。

私はAKBを実際見た訳ではありませんが、テレビで総選挙を見たり、AKBではないけれどモーニング娘のライブを観に行って、「つんくさんすごいな…」とプロデュースする方には感心してたので、他のエンタメとの差異を含めて洞察が深いです。

P164でブルーオーシャンについて触れられてましたが、誰もいない未知の領域を如何にして切り開くかがビジネス、ひいては人生の醍醐味かなと感じます。

私もセラピストと言いながらアスリートになってみたり絵描きさんやってみたり、日本一足の速い3児の母さんになってみたいな…と、「誰も真似や比較したがらない領域」を開拓途中の身で、パフォーマンスしながらそのプロデュースが楽しいので、その「ひとりブルーオーシャン戦略」な辺りが森下さんとご縁が繋がったエッセンス的な部分かしら…?と勝手に解釈しています。

何はともあれ田舎のおばちゃんの私を見つけてくださりありがとうございます。

本の主題から逸れてないといいのですが、タカラヅカの経営戦略、ビジネスとしてもヅカファンとしてもエンタメ好きな方にもお勧めの1冊でございます。

ぜひお手にとってみてくださいね。

ではまた。